新型ウィルスと、感染防止対策の「ロックダウン」という言葉がそこかしこから聞こえ出し、備蓄をしたり引きこもる準備をした人も少なくない。我が家も普段に比べて少しだけ多めに備えた上で、なるべく日常を保っているように心がけてるところです。

家族以外とのコンタクトが極端に減りながら、遠隔で受け取れるものの多さにも感謝して、可能な範囲でお友達のライブ配信やオンラインイベントなどもジョインしたり。

昨日はキッチンで、山盛りの野菜の下処理なんかをしながら、ワシントン在住さくらこちゃんが英語で話すライブ配信を見ていた。「go-to meal(定番の料理)」が話題のとき、ちょうど野菜に囲まれていた私も、はて?そう言われてみると自分の定番料理ってなんだろう?と考えはじめてしまった。

私が食べるものは野菜が中心なので、定番は間違いなく「野菜料理」だけどそれじゃあまりにも幅が広すぎる。それに、わりと気分でつくるタイプで、レシピを読んでおきながら結局ちがう分量や作り方をすることも多い。というより「おいしさの決め手は素材と調味料」と信じているので、これといった枠組みみたいなことはやや苦手なのかもしれない。
そうそう、栗原はるみよりも平野レミ、ナイジェル スレーターよりも ジェイミーオリバーみたいな。
あ、言ってみればざっくりしてるのか。

とかとか、そんなことをなんとなく夜まで考えていたものの、結局コレといった定番の答えには行き着かないままで、今朝になって朝食を食べながら、あ、これかもw、と思ったのがキャロットラペだった。

もう何年これ作ってるんだろう…10年くらい定番かも。もっとかな。

人参て、ピーマンやブロッコリーに並ぶ、なぜか子どもに好かれない野菜。大人でも苦手な人は少なくないので、生の人参であるラペをドーンと盛ってもテンションが上がる人の方が少ないかもしれない。(ポットラックのとき、たっぷりのラペと、シナモン香るアップルパイでは、その場にいる人の反応は全然違うんだよね笑)

ときどき「子どもの頃は苦手だったけど大人になったら食べられるようになった」とか「いつもは野菜嫌いのコが畑に連れてったら食べた」とかいう話も聞くけど、世の中の「苦手 or 好き」のほとんどは、ほんの少しの意識の違いだったりするので、それが食の場合はなおさら、ほんの少しのコツで解決することも多い。

というわけで「うちのキャロットラペ」の作り方はこちら。
先に書くけど、相当ざっくりです。

・人参(好きなだけ。作りやすいのは中サイズ1〜2本かな)
 →食べやすい長さの細切り。スライサーでいい。
・玉ねぎ(なくてもいいし、前に書いた発酵玉ねぎでもOK。量も好みだけど、上の人参の量に対して大さじ1〜2くらい)
 →すりおろすか、刻む。隠し味に近い存在。
・パクチー(好きなだけ。同じく上の人参に対して手のひら分くらい)
 →刻む。
・くるみ(アーモンドも良い。同じく手のひらくらい)
 →刻む。

1. 細切りにした人参に塩をふたつまみ掛けてもみ、10〜15分くらいおく。その間に別のボウルに他の食材を刻んでおく。
2. 人参の水分を絞り、他の食材と合わせる
3. レモンかライムの汁をくるっと一周掛け入れて、
4. はちみつかメープルシロップもくるっと一周、
5. オリーブオイルはくるくるっと2周、
あとは好みと気分で塩コショウとかで調整して、よく混ぜ合わせて30分くらいおけばOK。

冷蔵庫でしばらくもつし、パンに乗っけたり挟んだり、他の具材とブッダボウルみたいにして麺やごはんに乗っけたり、春巻きとか、油っぽい料理のサイドにも◎。

作り方はざっくりしてるけど、どうやら「さほど人参愛が深いわけでもない人に受け入れてもらうコツ」が隠されているようで(当社調べだけど)たぶんコレ、
 ✔︎玉ねぎがいい感じにいい仕事をする
 ✔︎柑橘ジュースが人参の土っぽさを隠す
 ✔︎甘みが食べやすくなる
 ✔︎パクチーがめちゃくちゃ合う
 ✔︎ナッツから旨味がしみ出る
みたいな理由で、人参や生野菜がさほど好きじゃない人にもわりと好評。ゆえに10年以上のgo-to meal化に鎮座したと思われる。

家にこもるとついつい、パッと食べれるものに手が伸びがちって人はぜひ、人参を手にとってみて。ざっくりでできるから!

 

投稿者プロフィール

柳澤円
柳澤 円(やなぎさわまどか)
ライター/コピーライティング/翻訳マネジメント
社会課題と暮らしのつながりを取材し、複数媒体にて執筆。主な関心領域は食・農・環境・ジェンダー・デモクラシー・映画。企業の制作物なども実績多数。
10代からの留学を含む海外生活後、都内のコンサルタント企業でナショナルクライアントの発信を担当。多忙ながら充実の日々は2011年3月に東日本大震災を経験したことで一変、兼ねてより願っていた自然に近い暮らしへと段階的にシフトする。神奈川県内の中山間地へ移り、フリーランスライターを経て2019年、夫・史樹と共に株式会社TwoDoors設立、代表就任。取材執筆のかたわらで自家菜園と季節の手仕事など、環境負荷の少ない暮らしを実践する。書き手として、心の機微に気づく感性でい続けることを願い、愛猫の名はきび。