Netflixドキュメンタリー『ヒトは食べ物でできている: 双子で”食”を検証』を観ました。これまでに観た食のドキュメンタリーのなかでも群を抜いて説得力のあるサイエンスに基づいた背景と、非菜食を否定しないアプローチの仕方がよかったです。

このNetflixを観る前に読了した『「ダメ女」たちの人生を変えた奇跡の料理教室』の影響もあって、エピソードを進めながらだんだん「アメリカっぽいものが食べたい欲」が込み上げてきました。(たぶん、疲れてる時はこの手の食の傾向が出やすい)

わたし自身、お肉を食べない食習慣もだいぶ長くなりました。

このジャーニーには変化も多く、厳格にビーガンだった時期もあるし、陰陽を学んでマクロビオティック、あるいは『典座教訓』から精進料理に傾倒していた時期もあります。

ここ最近は、自炊にお肉は使わないものの、シーフードや乳製品は食べるし、会食などでお肉が使われているメニューが出たらおいしくいただいています。食べものを選ぶこと自体がプリバレッジだということを忘れずに、ライフスタイルと体調に基づくものを食べる。

今のライフスタイルだと、食材の買い物はたまに行くだけ、常備している食材はお米と季節の野菜と乾物です。「アメリカっぽいものが食べたい欲」に包まれたとしたら、それらを活かして自分で作ることを意味します。

過去にさんざんお肉を使わない肉料理を習って作ってきた結果として身についたクセ、「どんな食感を求めて、今ある何をどう活かすか」を総動員させ、頭の中で「あれとあれをこうしたらきっとこうなるだろう」と想像し、ビーガンミートボールを作りました。

奇跡なのか天才なのか。
いや、ただこれまでのジャーニーにおける結果だけど、とにかく驚くほどおいしいのができたんです。自分でもびっくり笑。

これだこれだ、食べたかった「アメリカっぽいもの」、ミートボールサンドイッチ。

気に入ると毎日同じものを食べていられるタイプなので、連日食べました。はー、満足。

パートナー・史樹も「これはミートボールだ!」と絶賛してくれて、調子に乗ってSNSに投稿したら、作り方の質問DMを複数の方からいただいたこともあり、備忘録を兼ねてこの日のつくり方を書きます。

簡単ビーガンミートボールのつくり方

【材料】(3cmサイズのミートボール25個分くらい)
・オートミール(作りながら使う量を決めるけどたぶん100〜150gくらい)
・玉ねぎ(この日うちにあったのは赤玉ねぎ。たぶん大サイズ1/8くらい)
・にんじん(5〜6cmくらい。無くてもOK。キャベツとかピーマンでも良さそう)
・にんにく(一片の半分、それも芽が出てるありさま笑)
・きのこ(この日うちにあったのは舞茸と干したえのき。生椎茸とか平茸もおすすめ)
・豆腐(この日うちにあったのは絹1/2丁くらい、この半分だけ使いました)
・調味料(おいしい醤油、塩コショウ。あればオレガノはぜったい合う)

【作り方】
玉ねぎと人参とにんにく、きのこ類をフープロで細かくする(気力のある人は包丁でどうぞ)
塩コショウで軽く炒める(この工程をスキップして生のままでも作れる。けど食材は火が通るとよりおいしいです)

フープロに戻して、豆腐を加えて、醤油をひと回し入れて回す
ボウルに移して、オートミールを2〜3回に分けながら加えて都度混ぜる

(↑工程③をボウルに移したもの。丸められないゆるさ)

(↑工程④でオートミールを混ぜ込む)

(↑30〜40gずつくらい足して都度よく混ぜる。だんだんいい感じの硬さになっていきます)

(↑混ざりながらオートミールが水分を吸うので、成形できそうな硬さになったらボウルの中でひとまとめにして、一旦キッチンを片付ける。その間に適度に吸水も進むし、この後の調理が楽になるのでおすすめです。ちなみにここまで、作り始めから5〜6分)

※お肉を使わない料理の最大のメリットは、焼く前に味見ができること。この時点で下味が足りないと感じたら塩や醤油で調整してから次の工程へ。

ミートボールサイズに丸める(うっすら手のひらに水をつけると楽にできる)

気持ち多めの油で回しながら表面カリッと焼く

完成!

途中でお気づきの方もいると思いますが、これは「水分多めのゆるいネタ生地をオートミールでくっつけた」だけ、所要時間は30分弱。唯一時間が掛かるのは丸める工程です。

ビーガンミートボールもいろんな作り方がありますが、刻んだ茹で大豆と、たかきびなどの雑穀を小麦粉で合わせるのが王道でしょうか。雑穀料理を愛するひとりとしてそれも超大好きです。

けど大豆を茹でたり雑穀を炊いたり、そういうことが全くできない日もある、それが我が人生の現在地。じゃあこの「食べたい欲」はどうするか。大豆、雑穀、小麦粉、すべての役割を全部まとめてオートミールに委ねるのです。

焼き上げたミートボールにトマトソースを入れて、味を整えながら和えたらこれぞ、ザ・ミートボール。

パスタにかけても、ご飯に乗っけても最高。サンドイッチにする時は、チーズを掛けて軽くオーブンで焼くも良し。

ミートボールのままでもおいしいし、冷蔵庫に作り置きしておいて活用も便利です。

イシイのミートボール風にしたかったら甘めのタレと和えればヨシ。クリームソースと和えてマッシュポテト添えたIKEA風もヨシ。野菜と春雨とスープにしたら、夜食や軽食に最高なコも。

ビーガンて別に難しいものでも、大変なものでも、あと別に、一生ものの覚悟を決めてなるものとかでもなくて、人生で何を重要視するかという価値観であり、生き方だと思っています。

投稿者プロフィール

柳澤円
柳澤 円(やなぎさわまどか)
ライター/コピーライティング/翻訳マネジメント
社会課題と暮らしのつながりを取材し、複数媒体にて執筆。主な関心領域は食・農・環境・ジェンダー・デモクラシー・映画。企業の制作物なども実績多数。
10代からの留学を含む海外生活後、都内のコンサルタント企業でナショナルクライアントの発信を担当。多忙ながら充実の日々は2011年3月に東日本大震災を経験したことで一変、兼ねてより願っていた自然に近い暮らしへと段階的にシフトする。神奈川県内の中山間地へ移り、フリーランスライターを経て2019年、夫・史樹と共に株式会社TwoDoors設立、代表就任。取材執筆のかたわらで自家菜園と季節の手仕事など、環境負荷の少ない暮らしを実践する。書き手として、心の機微に気づく感性でい続けることを願い、愛猫の名はきび。