私と妻は映画が大好きだ。昨年ようやく悲願の年間100本をクリアして気づいたのだが「面白い映画、いい映画ってなかなかないな」という当たり前の事実だ。

そんななかでもハッとさせられるヒット作があるときはとても嬉しいので、今後機会をみてみなさんにもここで共有できたらいいなと思っている。
そこで紹介するのは、ディズニー映画『リメンバー・ミー 』(原題: coco 2017年制作)。

ディズニー映画、実際にはファンとはいえないし、たくさん観たことはない。もろもろディズニーのネガティブなところも知っている。熱狂的なファンからすれば「かわいげのない観客」だ。

ただ、ピクサーの素晴らしいアニメーション技術は素直に素晴らしいと思うし、子どもたちに夢を与える、安心して観れるストーリーであることは保証されているのはご存知のとおり。

普段観ないディズニー映画を、なぜか昨日はすんなりと観てみようと思ったのは、昨今世界全体で猛威を振るい、恐怖と不安を振りまく新型コロナウィルスのニュースに、いささかながら疲れていたからだ。
人々が不安と疑心暗鬼に陥り、疲れ果てているなかで、私はこのディズニー映画に、大事な土曜日夜の時間を、この1本を賭けたのだ。

物語はメキシコで毎年10月にある「死者の日」。先祖があの世から帰ってくるのをお迎えする、日本でいう「お盆」の日に、靴屋の息子でギタリストに憧れる12歳の少年ミゲル・リヴェラを主人公に繰り広げれられる、死んだ先祖と彼の家族を取り巻く大冒険のストーリーだ。

ネタバレになっちゃうので、いろいろ詳しくは書かないのが映画レビューのルールだと思っているので、ただ一言「あったかい気持ちになりたいなら絶対にオススメ」の1本であることは保証する。

前述したとおり、それなりに本数を観ているので、安っぽいお涙頂戴にホイホイ涙を流すほどヤワではない。ましてやいい年したおっさんの自分がアニメで泣くか?泣かないだろう?と自分で思ってもいた。

でも、劇中のストーリー、素晴らしいアニメーション技術、そしてタイトルでテーマ曲でもある「リメンバー・ミー」の曲の美しさのあわせ技で予想異常に涙腺が崩壊。

もともと感動しやすい体質の私は、一昨年に父、そして昨年に母を亡くし、死や別れについて深く考える体験をしたこともあり、死者への思いとノスタルジーと併せ、これも前述したとおり、心が疲れていたというのもあるだろう。
しかしその予想以上によかった。
エンドロールの後にも、心にあったかいものが残る作品ってそうそうない。

私のライフワークである「自分史」にも通じる、とても大事なことを感じることのできたこの映画、できるなら子どもや孫、おじいちゃんおばあちゃんも入れて、家族全員で一緒に見てほしい。

『リメンバー・ミー』より ©2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

投稿者プロフィール

柳澤史樹
株式会社 Two Doors 代表社員。
一般社団法人 自分史活用推進協議会認定 自分史活用アドバイザー。
企業研修プログラム「マインドフルカフェ」メンバー。
ライター・編集・プランナーとしても活動中。