いまの日本では「自己肯定感の低い人が多い」というのが、半ば常識のようになっています。

「自己肯定感」とは、読んで字のごとく「自分を肯定する、認めてあげる感覚」のこと。それが低いということで、自分に自信を持てない、認めてあげることができない人が多いということです。

それはなぜなのでしょうか。
特に若い人たちがそうだ、といろいろなところで耳にすると、全く根拠のない自信だけで若い時期を乗り切ってきた私は、とても考えさせられるのです。

若者よスマン

その最大要因の1つとして、社会の状況が大きく作用しています。

先日マクロミル社が2019年新成人に実施したアンケートで「日本の未来は明るいと思うか」という質問に、実に6割以上の若者が「暗い」と考えているという結果が出され、悲しいと同時に、とても申し訳ない気分になりました。

しかしその反面、社会に対してよきことを活動の主体にする「ソーシャルグッド」な人達も、30年前に比べ信じられないほど多いのも事実。
それは素直に尊敬していますし、だからこそ申し訳ないと思っちゃうんですけど。

自己肯定感が低い若者が多いのは、決して彼らの責任ではありません。
 
経済最優先主義のもと、弱肉強食が是とされ、「お金を儲けるだけが成功」というような社会の風潮と、物心ついたころからSNSで陰口を言われたりする文化。

こんな社会状況で、多くの若者が自分らしくあることを断念せざるを得ず、その結果「自分なんてダメで役に立たない人間なんだ」と思ってしまうのも無理ないよな、と思うわけです。

わたしたちの世代にはあまりなかったこうした風潮に対して、なにも考えず日本の国が進めた「経済狂想曲」にただ黙って乗ってきた大人の責任であると私は思っています。

自己否定は絶対悪か?

ただ、だからといって、自己否定は絶対悪なのか、といえばそうではない。
むしろ、どんな年齢であっても、自己否定はしないよりしたほうがいい。そのほうが人間としての幅が出るし、なにより傲慢になることがないと思うからです。

勘違いしたまま大人になってしまい、周りの人の痛みが分からないというのは、本当に孤独だと思うし、それこそ不幸でしかない。

私はこれまで、たくさんの人に迷惑をかけ、徹底的な自己否定をしてきました。
その経験があるからこそ、今になって本当に他者に対する感謝の気持ちや、本当の意味での謙虚さを実感できます。

そしてなにより自己否定は、自分を強くします。
生きる目的が見つかり、なにか自分の使命がしっかりとしたときに、自分ごときの人間だってこれくらい考えられるんだしできるんだから」という、一種逆説的にその自己否定の経験を活かせると思う。

だから、若いうちにいろいろやって、失敗して、それで自己否定する。
それは決してムダじゃない。それだけは自分の経験を通じてハッキリと断言できます。

とはいえ、その中毒性には注意が必要

そうなんです。自己否定は人生にとって必要だけど、その反面、自己否定ってものすごい中毒性があると思うんです。

自己否定って「どうせ自分なんてダメなんだ」という言い訳として最も使いやすい言葉でもある。
それを繰り返していくと、もうどこでも自己否定して「すべて自分のせいなんだ」で切り抜けようとしがち。

本来なら自分の信念を貫かなきゃいけないところ、居丈高(いたけだか)に威張ることで相手に言うことを聞かせるような人に対しても「自分がダメだから従おう」って自分を納得させる材料に自己否定は最適なんです。

どうしたって引かずに、自分の尊厳をまもるために向かい風に立たなきゃいけない時が人にはあると思っています。その時に自己否定を言い訳に、媚びるような生き方をしていくと、ずっとそれが癖になっていっちゃうんです。

社会のなかで「どうしてこの人こんなに自分を卑下しているんだろう」とか「なんでこんなに人に媚びるんだろう」っていう大人をたくさん見ています。
それってなんだか悲しいし、かっこよくないと私は思うんですよね。

すべてはバランス

結局今回も長くなってしまいましたけど、結局なにがいいたいかって言うと「自己否定は人格の成長のために絶対に必要。でも『自己否定依存症』になっちゃダメ!すべてはバランスなんだ」ってことなんです。

ジジイの小難しい話みたいになっちゃったけれど、若い人たちには未来を創るというアドバンテージと責任があります。

もちろん私もまだまだ若いと自分で思っているクチですから、「自己否定依存症」にはかからないように、あえて向かい風に立つとき、凛とありたいときはどんな時かをはっきり見極めていきたいと思っています。

投稿者プロフィール

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柳澤史樹
株式会社 Two Doors 代表社員。
一般社団法人 自分史活用推進協議会認定 自分史活用アドバイザー。
企業研修プログラム「マインドフルカフェ」メンバー。
ライター・編集・プランナーとしても活動中。