「時代のパラダイムシフト」みたいなことが言われ続けてもうすでに何年、いや何十年経っただろう。
これまで幾多の識者たちがそれを唱え続けてきた気がするし、この「パラダイムシフト」という言葉の語感すら、今となっては古い感じがするんだけど。
しかし昨今の世界を見ていると、いよいよそれが可視化され、多くの人々の意識、そして生活に変容が起きはじめたことを実感している。
ただしそれは全員ではない。
9年前の東日本大震災のときと同様に、いやそれ以上に、変わる人、変わらない人の差がよりハッキリと見えてきた。
さらにいえば、社会全体が変容していることは自覚していても、自ら変わることができず、迷っている人が多数いると感じる。
この「視点を変えること」って、なかなかすぐにはできない。
それはこれまでの価値観や自己認識を一度まっさらにするというステップを通るからだ。
これは自分史でも共通していることで、私は講座で「視点を変えること」の大事さを何度も伝えている。
自分の「過去」は事実であり、変えることはできない。
しかし自分史を作るとき、その過去を見て解釈するのは「現在」の自分だ。
その時点で過去の自分と現在の自分はすでに変容しているのだが、それは視点を意識していないと感じにくいのだ。
また自分史は自分の人生を他者に伝え残す作品性を持っている。
だから自分の過去を、自分が監督のようになって作品を作るその客観的視点がないと「書くことが難しい」とか「人に見せるのは恥ずかしい」となってしまうケースが多々ある。
その視点の変容によって、過去に向き合い、現在の自分が考えていることの輪郭が明確になり、さらにこれから起きうる未来のことについての自らの指針や方向性がハッキリしてくる。
それが自分史のもつ、とても大きな価値だと私は思っているのだ。
私たちはいま、本格的に始まった時代のパラダイムシフトのど真ん中にいる。
良くも悪くも、時代ばかりは選ぶことができない。
その意味において私たちはいま、日々もの凄く貴重な体験をしているわけで、不安も期待もこれまでとは比べものにならない感覚を持っている。
私たちが図らずも「激変する歴史の証人」の資格を持っているのだ。
だからこそ、日々私たちの目の前で起きていることと、自分の軌跡を連動させ、歴史の証人として生きるためにも「視点を変えること」を意識して日々を送ってもらえたらと感じている。
Photo by KOBU Agency on Unsplash
投稿者プロフィール
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株式会社 Two Doors 代表社員。
一般社団法人 自分史活用推進協議会認定 自分史活用アドバイザー。
企業研修プログラム「マインドフルカフェ」メンバー。
ライター・編集・プランナーとしても活動中。
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須田 仁
過去の因を知らんと欲せば其の現在の果を見よ。未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ。
現在の結果とは、過去の因(どう過ごしたか) また、未来は今の姿の結果でしかない。ということでしょうか。
ありがとうございます。
柳澤史樹
須田さん コメントありがとうございます。そうですね、過去どう過ごしてきたかは現在に繋がるかと思います。しかし、未来は現在の解釈により変えられると私は思っているので、なおさらのこと現在の自分がどういうところにいるのかをはっきりさせることが大事だと考えています。