日曜日の午後「Zoom」を使って、自分史講座を開講した。
北海道から沖縄、はたまた海外から、それぞれ異なる動機でこの講座に参加してくれたみなさんが、画面を通じて集い、思いをシェアしあうことで、時間と距離を超えた新しい自分史のつながりが生まれた。

国内外から集い、人生の自分史の一瞬を共有した参加者のみなさん


それをいとも簡単に実現したZoomとは、昨今のリモートワークの流れにも乗り、急速に普及しはじめているオンラインでのWeb会議システムだ。

Zoomとの出会いは、震災後にマレーシアに移住し、これを使って日本の学生向けにネット予備校をしている友人の田原真人さんに2016年ごろに教えてもらったのが最初で、彼はその後まもなく「Zoomオンライン革命」という著書を出版された。

私は彼と話して以来、Zoomの便利さは知ってはいたが、実際にそれを仕事などに活かすことはほとんどなかった。
しかし昨年友人らと試験的にオンラインイベントをやってから、その便利さと可能性に気づいた。同じころ、友人やお客さんもミーティングなどにもZoomを使う頻度が急激に増えてきた。
さらに今回の新型コロナウィルス騒動によりWebシステムを使った「リモートワーク」が注目されたこともあり、一気に知名度が広まっている。

すでにオンラインのコミュニケーションツールは数え切れないほど登場しているが、このZoomは会話と画像のタイムラグがほとんど生じない。
まるで相手がその場にいるような感覚で対話ができ、双方向のやりとりが劇的に加速し、より深いコミュニケーションが可能になった。

彼自身も私と同様、2011年の東日本大震災で、それまでの価値観、意識が変容し、生き方を変えた一人。その結果海外移住したわけだが、Zoomはそんな彼のライフスタイルの変容に大きな福音になったのだろう。

そんなふうにZoomの可能性に早くから気づいた田原さんの著書は、Zoomの使い方だけでなく、Zoomで実現できる新しいコミュニケーションの概念や来る社会のイメージまでが解説されている、新しい社会学の教科書のような本で、だからこそ彼は「革命」という名前を付けたのだろう。

もちろんこれまでと同様に、ツールとしてはZoomを超えるものが出てくるだろうが、いずれにしても人間のコミュニケーションはこれからさらに加速するだろうし、そこで個人がどんな情報を得て、どんな人達と繋がりを創っていくかが、各々の幸せ、ひいては社会変容の方向を左右すると感じている。

実はそこがもっとも重要で、一人ひとりが「個」として自己をどこまで認識しているのか、自己がなにを考え、なにを大事にしているのか、という価値観が今まで以上に問われることになるだろう。
だからこそ私は自分史を、これまでの「終活で残す本」という従来の狭いイメージに留まらず、これからを生きる若い人達のためにこそ活かすべきだと考えている。
 
田原さんも、今後の社会は
「ビックデータとAIによって、これまでとは違う形の隠れた中央集権が進んでいく方向性」「各自が自分自身の真実を語り、繋がりを取り戻していくことをブロックチェーンなどのテクノロジーが支えて自律分散が進んでいくという方向性」に二極化されていくと論じている。

その意味において、私が望む社会の方向性は間違いなく後者であり、各々が自己の在り方を明確にし、自律していくためにも、自分史の価値がますます求められていくであろうと確信している。
今回の自分史講座で、これからを共に生きる人達とのつながりをZoomを駆使して取り組んでいきたいモチベーションがますます強くなった。

このブログを読んで講座に興味を持ってくれた方、またお知らせしますので、その時はぜひ参加してもらえたら嬉しいです。




投稿者プロフィール

柳澤史樹
株式会社 Two Doors 代表社員。
一般社団法人 自分史活用推進協議会認定 自分史活用アドバイザー。
企業研修プログラム「マインドフルカフェ」メンバー。
ライター・編集・プランナーとしても活動中。