言葉をあつかうことを仕事にしているわたしたちは、仕事の機会においても度々「人生」に関する考察を続けている。それはおそらく書かせてもらうことの多くが、個人の人生や価値観、あるいは、社会の一員としての思いが含まれているからだ。

広義の意味で、常に誰かの哲学に触れていると思っている。

詳しくはまたの機会にする必要があるが、この度、あるお仕事を通じて、成田にある長寿院の住職、篠原鋭一ご老師を訪ねてインタビューさせてもらう機会に恵まれた。

予定時間を超えてたくさんお聞かせくださった、長寿院ご住職、篠原鋭一老師(中央)

NPO法人「自殺防止ネットワーク 風」の代表でもあり、長年、多くの人に生きる意味を伝えている老師の活動はとても素晴らしく、お会いする前に読んだ著書にもとても感動した。

なぜか「仏教は敷居が高い、難しい」というイメージをもっている人も多いと思うし、漢字が苦手なわたしのような人間にとっては確かに専門用語は難解に見えるが、仏教は知れば知るほど、生きる真理。その意味のほとんどが「先に何度か人生を重ねた大いなる存在から、人生の後輩に向けられたアドバイス」のようだと思う。

事実、お坊さまのお話は、会社員・フリーランス・学生・経営者などの社会の属性や性別も年齢を超えて、生きている誰にも響く。マインドフルネスやメディテーションを重要視するビジネスパーソンの中にも、ある一定数の仏教ファンがいることも納得できる。

篠原老師の本も、優しくわかりやすい言葉で綴られているものばかりなので、すーっと心に入り込んでくるようだ。

非常にやさしい言葉で綴られた老師のご著書のひとつ『どんなときでも、出口はあるよ』(WAVE出版)
こんなにたくさんのポストイットを貼りながら読んだ本はひさしぶり。

そう遠くないうちに老師のお話を書き上げる予定なので、それがまた必要な人に届いて欲しいと心から願う。

もしも待てない方、早くご老師の話に触れたい、とピンときた方はぜひ先にご老師の本を読んでみてほしい。ご老師いわく、今が本番、この一瞬こそが本番、私たちはみな「今」を生きるべきなのだ。


このシリーズも心に響くお話がたくさん。

散歩中に会ったご近所の方ともしっかり談笑されるなど気さくで優しい篠原ご老師。取材班一同すっかりファンです。

 

投稿者プロフィール

柳澤円
柳澤 円(やなぎさわまどか)
ライター/コピーライティング/翻訳マネジメント
社会課題と暮らしのつながりを取材し、複数媒体にて執筆。主な関心領域は食・農・環境・ジェンダー・デモクラシー・映画。企業の制作物なども実績多数。
10代からの留学を含む海外生活後、都内のコンサルタント企業でナショナルクライアントの発信を担当。多忙ながら充実の日々は2011年3月に東日本大震災を経験したことで一変、兼ねてより願っていた自然に近い暮らしへと段階的にシフトする。神奈川県内の中山間地へ移り、フリーランスライターを経て2019年、夫・史樹と共に株式会社TwoDoors設立、代表就任。取材執筆のかたわらで自家菜園と季節の手仕事など、環境負荷の少ない暮らしを実践する。書き手として、心の機微に気づく感性でい続けることを願い、愛猫の名はきび。